フロントブレーキレバー交換修理 ベスパというナラティブ

去年の夏に転倒した時に曲がったフロントブレーキレバーを交換修理。

1cmくらい上向きに曲がっていた。

自分で交換しようと思ってやってみたけど、ドライバーを追加購入する必要があったりして面倒になったので、まぁいいやと店に依頼。

注文してから店にレバーが届くまでに要した期間は、おおむね一週間。

まっすぐなレバーはいいものだ。

設計時に想定した適切な角度が指と手首に与えられ、減速したい時に減速したい速度まで、想定した時間軸に沿って想定した空間軸を制御できるという安心安全とアクティビティを手に入れる喜び。

そういった機能面を支える下部構造としての機械部を、華麗に隠蔽すべく計算された樹脂製パーツの構成と、そこから与えられる精神的潤いと豊かさ。

そして、それらを得るために負担すべき当然の対価。

ブレーキレバー交換作業工賃、¥6,000。

そうか、そうだろう、そうにちがいない、そうあるべきだ、ベスパというナラティブに乗っているのだから。

 

 

タイヤ換装 ANGEL SCOOTER → CITY GRIP SAVER

タイヤをエンジェルスクーターからCITY GRIP SAVERに交換。

当初はCITY GRIP2にしようと思っていたけど、サイズに在庫がないということでCITY GRIP SAVERを選択。

前回交換から走行距離で2万km弱。使用年数約5年。1年ほど前にカワサキプラザでそろそろ交換時期だといわれたので使いすぎなんだろう。

フロント、リアとも同じような摩耗加減。

 

使用感をレビューするには、エンジェルスクーターが適切な性能を発揮していた時期の記憶を保持していたはずのシナプス結合が霧散したいまとなっては心許ないが、転がり抵抗の少なさが売りというところからくるのか、比べると硬い感じがする。

それまでは空気圧をF2.0、R2.2にしていたけど、このタイヤでは少し下げてF1.8、R2.0で運用。それでもなにかゴロゴロする感じがするかな。

しかし、そんなことは瑣事に類する事柄であって、真に驚嘆すべきは溝のあるタイヤは進路変更に恐怖を覚えないということ。

費用は¥32,604。

 

2026.1.23




 

ベスパ転倒・ボディ修理(?)

ベスパ乗車歴6年目にして初の転倒。

今まで何度か発生した立ちゴケの危機はかろうじて回避し続けてきたものの、そのときは唐突にあっけなく訪れた。

 

撮影のために訪れた田舎の幹線道路から分岐した、DIYじみたアスファルト舗装が施されている脇道を走行中のできごと。

人通りのない見晴らしのいい脇道という安心感、撮影シーンの探索、交換したばかりの駆動装置がもたらす低速域からの心地よい加減速の感触への陶酔という注意散漫状態のまま、一車線の曲がりくねった小道を20kmほどの速度から車体を右に傾けた瞬間、通常の幹線道路ではお目にかからないような泥の堆積に、片持ちフロントサスペンションに支えられた12インチタイヤは如何なる前兆を見せる事もなく進行方向から270度の左方向に移動した。

フロントタイヤの接地感が喪失してからアスファルト路面にコンタクトするまでの時間のあいだに、車体の制御を試みる意思と、物理法則がもたらす不可能性に諦念する理性と、それに連動する肉体の動作が、背筋下部の筋肉に違和感を生じさせながら、ベスパプリマベーラのモノコックスチールボディとDIY的アスファルト路面は、その音源の主体がどちらにあるのかという禅問答をよそに、鈍い接触音を響かせた。

背面からほぼ水平に接地した上半身は、パワーエイジのイージーライドパーカーに初期装備されている脊椎パッドが衝撃を吸収して痛覚は覚えなかったものの、コットンとポリエステル素材が数枚存在するだけという字義通りの丸腰でアスファルト路面に挑んだ腰部には激痛が発生した。

 

うららかな日曜日の午後、休日の静けさを保つ工場と水田の間にあって、横倒しの空冷3バルブエンジンのアイドリング音だけが、田舎の広い上空に拡散してゆく。

四つ這いの姿勢のまま地面に突っ伏して痛覚に耐えていると、水田の向こうに存在する中古車解体業者のヤードから、かすかにコーランが流てきた。

午後の3時ということだろうか、と一種の乖離的防衛機制を働かせながら、痛覚とそれによる祈祷類似姿勢と共に、鷹揚な抑揚を持つメロディーをぼんやりと聞いているとアッラーの加護だろう、たまたま通りかかった地元の自動車の運転手と同乗者に、腰の痛みで起こせなかったベスパの引き起こし作業を依頼することができた。

 

その後の帰路から自宅での悶絶、治療、検査、静養となかなかの数ヶ月を送ることとなったが、ここではブログカテゴリーに従ってベスパに焦点を絞ろう。

 

  

車体のダメージは写真の通りだが、衝撃的なのはその修理見積もり。モノコックスチールボディが要請する板金塗装作業の対価はおおよそ20~40万円。見積もりを耳にしたその足でオートバックスに出向いて購入・作業したパテ盛りによる仕上がりは、先のPriceが念頭から離れない以上、自身の納得を確保するのにさほどの葛藤を必要とはしなかった。

パテ作業後の状態を撮影した写真には、若干の侮蔑的ニュアンスと共に用いてきた「DIY的舗装道路」と比肩するテクスチャーが記録されており、ネット黎明期のクリシェである「全世界に発信」という行為は、尊厳の確保という観点から「忘れられる権利」の十全な遂行を期待できない現下では回避せざるを得ないと判断した。

今回の件で、ベスパの美しいSpotカラーモデルは、潤沢に板金塗装費用を捻出できる上位1%の奢侈品であることが判明したわけだが、色調達が容易なStandardカラーモデルの選択は、DIY補修の可能性をスキルレスな苦笑いを含めつつ拡張できるとことが図らずも提示された。

     

バンパーつけましょうかね。

 

 

腰のダメージが怖くなったので、イージーライドパーカーにプロテクター追加。

コミネのEVAパッドをマジックテープで切り貼り。

まくれたら仕方ないけど、あれば違うでしょう。

 

 

ベスパ 駆動系メンテナンンス

プリマベーラの走行距離が20,000kmになったので、駆動系のメンテ。

交換部品はドライブベルト、ウエイトローラー、スライドピースとミッションオイル。

それとエンジンオイル交換。

工賃込みでトータルの費用は¥41,138。

駆動系を交換しているので、100kmほどは慣らしをしてくれとのこと。

交換後の効果はテキメン。

少ないアクセル開度で発進からスルッと法定速度に達する。

中間加速は体感的にはあまり変わりないような気がするけど実速はどうだろか。

最高速はしらん。

この調子なら燃費も多分良くなってるんだろう。

極低速ではギクシャク感が多少でるような感じもする。でも今はリアブレーキ操作を覚えたので大丈夫。

それにしても、回転を上げずに速やかに発進できるのは静かでかなり快適。

そういえば新車はこうだったなぁという感じ。

 

坂東

 

坂東 | Takeshi Oyama

埼玉・茨城・千葉・神奈川といった東京近隣の、東京の中心から直線距離にしておおむね40~50Kmほどの距離にあり、鉄道の便が良くないという条件の場所には、産業廃棄物処理施設や自動車解体業者、砂利などの土木建築資材、リサイクル施設などが分布している。

それらは都心部の建設で必要とされる資材の供給元であり、都市生活で使用された耐久消費財の最終工程の場であり、建築資材や産業廃棄物は市場で取引される商品という立場から、鉱物の手前にまで降りてきたもの、あるいはそこから上昇していくものであり、再利用のサイクルに回収されるものもあれば、手付かずのまま放置されているものもある。

消費者がほぼ存在せずソフィティスケートによる秘匿の必要を求められないこれら市場の周縁部に位置する土地では、再利用されるものも、放置されているものも、それらの生産設備をも含めて、物質をめぐる資本の代謝が隠されることなく、剥き出しままその姿を晒している。これらの地域は土地利用の新陳代謝が極めて緩慢であり、使われなくなった施設はスクラップ&ビルドの機能が働かないまま自然の風化に委ねられ、植物の繁茂は阻害されることなく人工物を覆い尽くそうとする。

市場の一線から退いた商品の解体や販売は、多くの外国人労働者によって担われ、彼らの雇用を支え、彼らによって生産サイクルの全体像は補完される。

自然と資本と、そしてインフラやエスニシティの発露としての国家といった、それぞれ別の原理を持つものは、都市部のような仮初めの融合を擬態することなく存在しており、これらの地域は、われわれがどういった地点を基盤として立っているのか、そのベーシックなありようを見せている。

開発が進み変化する土地の有りようを捉えたもの、廃棄物を通じて近代社会の負の側面を告発するもの、廃墟に消費社会の空虚を見出すもの、そういった試みが捉えようとする現象の終点であり始点であるこのターニングポイントで駆動する力は、軋みを立てながら糊塗されることなく差し当たりの並置という状態のままそこにある。

異なる原理が剥き出しのまま放り出されている場は、産業社会の姿の象徴という様相を見せながらも、そのとりとめのなさは象徴に回収しきれない残余を生み、それはある種の寓意を招きよせ、そして物語は、残余を埋めようと自然と資本と国家の三位一体を見出そうとするだろう。

 

かつて坂東と呼ばれた関東地方において、都から派遣された国司の収奪からの自立を目論み、自らを新皇と称したことで朝敵として討ち取られた平将門は、中央から忌避される怨霊譚や、武士の始祖としての英雄譚を産み、飢饉における統治の手法としての御霊信仰を経て、民衆自らの拠り所として伝説化して定着していった。現代では市政統合の象徴でもある。

産業廃棄物施設やリサイクル施設の多くが集積する坂東市の神田山如意輪寺延命院にある今も多くののぼり旗が立つ首なき将門を祀った胴塚は、大手町の首塚から40kmに位置している。

 




ベスパ12ヶ月点検

12ヶ月点検。
購入から4年9ヶ月、走行距離は16,000km強。

前回の点検から2年6ヶ月、走行距離で8,000kmほど。

今回は12ヶ月点検にしたけど間が空いているので24ヶ月点検にしておいたほうがよかったのかな。
エンジンオイル、オイルフィルター、エアフィルター、プラグ交換、その他各種点検。
トータル費用は¥31,218。

取説ではVベルトの交換時期が10,000kmになっているので気になっていたけど、20,000kmでいいみたい。

点検でも問題はなかったとのこと。