アニメ・コミック

土田世紀

土田世紀が亡くなったのか。この人のモーニングかなにかで入選した、卒業間近の高校生の野心と劣等感で鬱々としながらも、それまでの学校空間の霧消と思い描けない未来の間のエアポケットのような時間を描いた作品をコンビニで立ち読みして物凄く嫉妬したの…

ウナギイヌ

ぜんぜん、イヌじゃないし、ぜんぜん、ウナギでもない。

「NIWA」横山裕一

記号化された人物達が謎の庭園を探索して行く。淡々と“調査”を続ける人物たちは、時々わぁーと群集に変化してそれまでの均質な時間と空間に波動を生み出す。しかしそれはカタルシスを生み出すことはなく、また元の探索を続ける。不可解さは解消されることな…

「海辺へ行く道」三好銀

80年代の批評的モラトリアムといった感じで、ひたすら揺らぎながら、ずれ続けていく運動を、無根拠を無根拠として提示することを意図しながらも、象徴的なカットで強引に世界としての確定に強行突破を試みる。モチーフや象徴的な風景シーンの使い方から、伊…

「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」

名作の呼び声高い「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」鑑賞。これが当時どう受け取られたのか知らないけど、ポストヒストリカルな状況と関連付けられたのだろうとは思う。今の時点で見ると、古典からの引用が多かったり、学園闘争のイメージがあった…

「ほしのこえ」 新海誠

短編を作るとき、その制約の中で作品を成立させるためには、大きなドラマの展開を断念して、小ぶりな空間や時間を選択するか、描写を排し、象徴や寓話に情報を圧縮するという選択がある。おおむね後者に属する詩は、その外にある物語に依存することで成立す…

漫画同人誌「走馬燈」

「初期、菅野修の可能性の追求」をコンセプトに、新たに発行された漫画同人誌。60〜70年代初頭のガロや、それを引き継いだ「夜行」「幻燈」、「バサラ」(「バ]が変換できないのでカタカナ表記にします)、といった疎外論的な表現に特化した漫画雑誌の系譜…

80年代以降のマンガ

子供のころからマンガばかりを読んで、学校でも家に帰ってからもマンガを描いていたマンガ少年だったが、大友克洋やガンダム以降の、まぁ、大雑把に言って80年代以降のマンガに違和感を感じて、いつからか、マンガを読まなくなり、描かなくなった。この時期…

「やなぎ屋主人」つげ義春

このマンガには物語りが氾濫している。風俗嬢の「お話」を聞きに行き、「網走番外地」の歌詞に駆り立てられるように旅に出て行く。宿泊した家で、老婆の身の上話を聞き、そこの娘に対して性的な妄想を抱き、やなぎ屋の主人に納まるという空想をする。時に歌…

「デメキング」 いましろたかし

70年代の田舎に住む、目的の無い高校生が、怪獣デメキングと戦うために東京に行くというのがプロットのようだが、内容はあってないようなもの。 絵柄は劇画をヘタウマにしたようなの。この人の他の作品は読んだことはないけど、まぁ、リアリズムを資質として…

ピッカリモンキー1号

アニメ「時をかける少女」

「時をかける少女」を見てきた。次から次へと山場を持ってくる技術に感服し、退屈を感じることなく惹きつけられていった。初めはアニメ的な演出や主人公の女の子の性格が好きになれなかったが、次第にその文法に違和感を覚えなくなっていき、この文法だから…