「たまの映画」

テアトル新宿の21時からのレイトショーを観に行った。満席。若い人が8割、中年が2割といったところだろうか。だいたいの印象だけど。もう少し同年代がいるかとも思ったけど、連休最終日のレイトショーに行くおっさんが、そういるわけもない。
たまは昔良く聴いていた。今は絶版になっているグローブ座でのライブアルバム「野球」のLDや、友部正人とのコラボレーション「けらいのひとりもいない王様」も買った。竹中労の『「たま」の本』も読んだが、1993年発売の5枚目のアルバム「ろけっと」を最後に聴かなくなった。その後04年発売の石川浩司の『「たま」という船に乗っていた』を読んだ。
自分は中央線文化が好きで、そこに集まる人達も好きだが、実際には付き合うことは無かった。青林堂北冬書房にマンガを持ち込んだり、その辺りの人たちの飲み会にも参加したこともあった。たまが売れていた頃、あるフォークシンガーのライブに行ったとき、少し後ろの席に知久さんがいた事もあった。今でもそうだが、中央線文化とはニアミスを繰り返しながらも、出会い損ね続けている。彼等を羨望しながらも違うルートにいた。
この映画は、元たまメンバーの石川浩司滝本晃司、知久泰焼と、彼等の関係者のインタヴューと彼等の現在のライブ映像で構成されている。インタヴューはたま時代の回顧が多く含まれるが、楽曲は現在のもので、あくまで今の彼等の姿を映し出している。シンプルな作りの映画で、静かに引きこんでゆく。ただ、かつての活動は冒頭の短いテロップでの紹介だけなので、若い観客はピンと来たのかどうか。
たま時代の曲はあまり聴かないけど、この映画で流れた今の曲は良かった。
とにかく元気そうでなにより。

この文章を書いてから、いくつか「たまの映画」について書かれたブログを読んでみたら、同じような感想のものがいくつもあった。