再構成と統合

矛盾を統合するのが美で、哄笑は矛盾の肯定である。というときの哄笑は、もはや人間のそれではないだろうけど、通常、笑いもまた一つの美だろう。
人は矛盾を直視することは出来ないにしても、矛盾を日々生きている。時に物語に物語を塗り重ね、時に物語の脱構築に宙吊りの句読点を打ちながら。
矛盾の直視を標榜する派閥も、直視ムラのルーチーンワークに忠実な構成員として生きる。
笑いの多くも、現実の再構成と統合が可能とする。そしてその事自体は非難されるようなことでも称賛されるようなことでもない。
現実の再構成も統合も無くて済ますことができるというナイーブさに留まるべきではなく、そこで行われている統合の質をこそ問うべきであり、その政治性にこそ意識的であるべきだろう。