Chim↑Pom/北島敬三

歌舞伎町にChim↑Pomの展覧会を見に行ってきた。
入場チケット変わりのハンコを左手首に押してもらって、取り壊し予定のビルディングにエレベーターで4Fに上がる。
なんか楽しげにイベントとして展覧会を作っている感じがしていいなぁ、女性客が多いのもそのことと関係していたりしてとか思った。
その後、二丁目で北島敬三の写真展。
マッチョな筋肉美のポスターの脇を通り抜け、雑居ビルの階段を上ると端正な北島の写真。
港湾や鉄道などの、むき出しの土木感を勝手に帝国主義時代のロマンチシズムと呼んでいるけど、郊外や地方に行くとその種のむき出しの土木感が見られる。
前近代と近代の相克という構図とは別に、帝国主義的な重厚長大型近代とライフスタイルの消費を中心とした高度資本主義型近代の相克という問題系があり、北島の写真には、自然と重厚長大型近代の相克の間に消費型近代がせり出してくるという構図がある。
物の消費から体験型消費に移ったと言われるトレンドに寄り添いながらChim↑Pomはscrap and buildという土木的経済で遊ぶ。
重厚長大型から消費社会へといわれがちな変化は別に単線的に推移するわけでもない。
scrap and buildの最たる軍事技術は、AI活用による効率化でもって成長産業の決定打として産業界から強力にプッシュされる。