海と映画と国威発揚

「海と映画館と国威発揚
波間は美しく永遠の相貌のもとに時間を無くし、常識を逸脱した長時間露光は時間の意味の喚起ではなく、その無常性を強調し、世過ぎのコレクションはノスタルジックな廃墟趣味を開陳する。
取るに足らない無価値な現実にアイロニカルに対峙し続ける精神は、歴史を美の中に溶解し、その精神の構えであるイロニーをも無化しながら所与の現実に同化する。
当人と取り巻きの主観的なイロニーだけは確保しつつ。