まだ充分真夏といえる猛暑で快晴の土曜の昼過ぎ、「赤いきつね」と「やわらかいなり3ヶ入」を持ってコンビニのレジで順番待ちをしていたら、横にいたベビーカーに乗った一歳くらいの子が、口を開けながら自分のことをじっと見ていた。女の子だろうとは思ったが、はっきりとは分からなかった。
自分は一度、その子をちらっと見て目をそらしたけど、まだじっとこちらを見ているので今度はじっと見返してみた。お互い数秒間、目を見続けていた。するとその子はニコっと笑い、被らされているツバの短いアイボリーの帽子を両手で下げ、顔を隠して下を向いた。