芸術 工芸

安定した良品を制作できる作家は芸術家というより工芸作家というべきだ、という言い方は、テーマパーク化した現代芸術へのアンチテーゼとしてそれはそれで分かるが、しかし内なる“芸術家”を抑圧して“工芸作家”として魂を売り渡す契機が作品の社会性を獲得するという側面もあるだろう。先の芸術家ではなく工芸作家に過ぎないという言い方はたぶんにアジテーションであり、それをそのまま生きれば“症例”にしかならない。