最近、自炊(といってもほぼご飯を炊くだけ)するようになった。
そうすると、ちょっと酒の肴が欲しいと思っても、出来合いのものを買う前に、家にあるアレとアレをこうすればいいな、とか思うようになった。
調理など選ばれた者にだけ与えられた恩寵だと、聳え立つ大伽藍を遠巻きにコンビニエンスな食生活にアイデンティファイしていたが、こういうのもクセみたいなもので、やりだすとそれはそれで、それなりの駆動力が発生する。


“アレとアレをこうする”というのが、具体的に何と何をどうするのかを開陳してしまえば、この文章の品位(笑)は瓦解する。
抽象化で、雑多で多彩な彩りを持つ現実に補助線を与えれば、通常なら交わることのない領域に住み分けている階層にも、ある種の共感の道筋を付け得る可能性も出ないとも限らない。