「珈琲時光」侯孝賢

この映画が好きで時々見返すのだけど、いつもエンディングの歌で一気に込み上げてくる。とくに中国語が出てくると完全にトメドがなくなる。 
“関係の稀薄な現代日本”を描いたものは数在れど、この映画の特有のスタンスはやはりツーリストのものなのだろう。「非情城市」の監督が節度を示しながらもそれと裏腹な無責任さで対象に接しながら、ちょっとした助言として「台湾」を差し出してゆく。そんな在りようが、この映画の感銘を生み出しているのだろう。