卵焼き

卵焼きを作ろうと思って、ヨーカドーでヨーカドーオリジナルブランドの¥1,000の卵焼き器を買ってきたが、卵がボロボロになるだけでスクランブルエッグ以上ものにならなかった。
火力を調整したり、ネットで下準備の方法を調べたりして工夫したが一向に卵を巻けそうな状態に持ち込む事が出来なかった。
溶いた卵をフライパンに流し込み、巻き始めようと菜箸をフィルム状に展開した加熱卵の下部に挿入した途端、フィルムエッグはスクランブルエッグへと変貌。
クラッシャブルなEggを目の前にして、立ち登る絶望を押し殺しながらスクランブルエッグ様のそれをフライパンの片側に押しのける。二度目の流動卵を投入。フィルムエッグは作り手の意図に理解を示そうとする予兆すら垣間見せることなく、先ほどと同様の形状変化を遂げる。
絶望と怒りを食欲に収斂させるべく、ここにおいて調理プランは変更され、スクランブルエッグ以外の目的を放逐する。
この過程を一週間繰り返した結果、¥3,000の卵焼き器の購入を決定。
¥3,000の価格は購入者に対しfriendlyに振る舞い、liquid eggはrolled eggへと速やかに変貌を遂げた。