80年代以降のマンガ

子供のころからマンガばかりを読んで、学校でも家に帰ってからもマンガを描いていたマンガ少年だったが、大友克洋ガンダム以降の、まぁ、大雑把に言って80年代以降のマンガに違和感を感じて、いつからか、マンガを読まなくなり、描かなくなった。この時期以降のマンガに見られるグロテスクなシニシズム ーマンガはいつでもグロテスクなものだろうが、このシニシズムを基調低音として持つ類のものー に嫌悪感を持ち続けている。絵柄や、キャラクターの仕草、セリフ回しといったものに嫌悪を持っているので、到底読み進めることは出来ない。そういった基礎的な構成要素に抵抗を感じずに語られる評論にも、饒舌な胡散臭さ以外のものを読み取ることは難しい。自分でも極端だとは思うが、この感覚に逆らえない。

しかし最近は自分も歳をとったせいか、深夜に放送されているアニメなんかを、ぼんやりと見ていられるようにもなってきた。マンガを描かなくなったとはいえ、何となく持っていた現役感も薄らいできたのだろうかと思っていたところ、岡田斗司夫の「オタクはすでに死んでいる」という本を見つけたので、読んでみた。内容にはピンと来るような来ないような感じで、あまり感想も無いが、「オタク」と言われる、ひとつのムーブメントは終焉を迎えたのかもしれないとは思った。そう考えると自分の変化も年齢という次元とはまた別に、「敵」の消滅から来ているものなのかもしれない。