文化・芸術

オルセー美術館展

オルセー美術館展に行ってきた。 モネ 「日傘の女性」 ブルジョワジーのロマンティシズムとは、こういうことなんだなぁ、と呆れながら羨望。 セザンヌ 分かるなぁ(笑)。その色の選択、その塗り方、そのディテールの省略の仕方。「父」と崇められるその方法…

悔悛するマグダラのマリア

西洋絵画の定番モチーフ「マグダラのマリア」の中で唯一グッとくるのが、ラ・トゥールのもの。これに“グッとくる”ことに若干のやましさも感じながらも。 これは、やましさは感じないまま、グッとできる。ラ・トゥールは何かシャープで、かっこいいんだよね。

岡崎乾二郎 ーあかんやろ

岡崎乾二郎の作品は見たことがあったし、凄いなぁとは思ってたけど、改めてHP で絵を見てみると...。あかんやろ、これ。え? いやいやいやいやいや、え? paintingって、そらまぁ... なんていうか、いい大人なんだから、ギブアンドテイクでね、自分の城を持…

「実存」という感覚

「ヴィデオを待ちながら」というビデオアート展を見て改めて感じたのは、60、70年代にあった「実存」の感覚の重要性。この展覧会で紹介されていた60、70年代の作品は様々なコンセプトで作られて入るが、どれも「実存」をめぐっているように見える。それは、…

「ヴィデオを待ちながら」

東京国立近代美術館で開催中のビデオアート展「ヴィデオを待ちながら」。ビデオアート誕生から40年、未だ美術館にビデオアートの適切な展示方法が成立していないことに愕然とする。ごく短い作品以外、突っ立ったまま、あるいは幼稚園の椅子のようなものに腰…

日本中世リアリズム

日本中世の肖像リアリズムは他に類例を見ないもののように思う。西洋でも中国でも、肖像画は対象の美化、尊大化が行われており、「一休宗純像」などに見られる、対象を美化することのないリアリズムは少ない。一般的な尊大さに抗して現れた社会主義的なリア…

ロン・ミュエック-金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館でロン・ミュエック展を鑑賞。隅々にまで徹底的に追及された写実を異常なスケールで実現した人体像の前に立てば、自らが纏っている社会的な制約から離れることなく、それらと向き合うことは難しい。そのリアリズムはグロテスクな露悪趣味に…

仏教への旅

TVで「仏教への旅」という番組で韓国の禅僧が話していたことが、仏教徒としてシンプルで、まっとうなことを言っていて感心した。自身の中にある仏性と向き合い、社会的な運動を行うにしても解脱に最終目標を設定すべきであるという。そこを押さえていれば問…

ユトリロ「モンマルトルのノルヴァン通り」

ユトリロを見てきた。後期の可愛らしい絵も悪くは無いが、やはり初期のものに惹かれる。1910年頃に描かれた「モンマルトルのノルヴァン通り」が三点並べて展示してあったが、これが絶品だった。ユトリロの情念と、物としての絵の具の共犯関係。画家が絵の具…

写生という行為

最近写生をしているが、自分は今まで現物を見て描くという事をしていなかったことに気付いた。写真を見て書き写すのと違い、写生では、物の形が掴みづらく、物には輪郭が存在しないことを知らされる。輪郭は作り出すものなんだと思う。また、写生とは物を正…